莫迦げた事をしているのね。」ラヴィニアは、声を高くしていいました。「うちのお母さんがいってたわ。あの子みたいに、ありもせぬことをありそうに考えるのは莫迦げているって。そういう女は大きくなってから変物《エクセンドリック》になるんですって。」
 セエラの『偉がらなかった』のは真実《ほんとう》でした。彼女は思いやりがあって、慎《つつま》しやかな少女でした。で、持っているものは、惜気《おしげ》もなく分けてやりました。いじめられている小さい子供達は、よく劬《いたわ》って[#「よく劬って」は底本では「よく※[#「旬+力」、38−4]って」]やりました。転んで膝小僧をすりむいたりしていると、母らしく駈け寄って助け起し、ポケットからボンボンを出してやるという風でした。
 だから、年下の少女達はセエラを崇拝していました。彼女は幾度も嫌われている少女達を自分の部屋に招いて、お茶の会をしました。そんな時にはエミリイも一緒に遊《あそび》の相手をしました。そして、エミリイもやはりお茶の仲間入りをするのでした。エミリイのお茶は、青い花模様のあるお茶碗に、うすめて注がれるのでした。少女達は、人形用の茶道具など見たこ
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