おかげ様で、丈夫よ。」アアミンガアドは羞しくてわけがわからなくなって来ました。で、急に、何かもっと友達らしいことをいわなければならないと思いました。「あなた――あなた、あの、ほんとにお不幸《ふしあわせ》なの?」
その時のセエラのしうちは、よくありませんでした。セエラの傷《きずつ》いた心臓は、ちょうど昂《たか》ぶっている時でしたので、こんな物のいいようも知らない人からは、早くのがれた方がいいと思いました。
「じゃア、あなたはどう思うの? 私が幸《しあわせ》だとお思いになるの?」
セエラはそういい残して、さっさと去って行ってしまいました。
その後、時がたつにつれて、セエラは、アアミンガアドを責むべきではなかったと思うようになりました。ただあの時は、自分の不幸のため、何もかも忘れてしまっていたので、アアミンガアドの心ない言葉に腹が立ってならなかったのでした。それに、落ち着いて考えて見ると、アアミンガアドはいつも気のきかない子で、心を籠めて何かしようとすると、よけいやりそこなうのが常だったのでした。
それから五六週間の間、二人は何かに遮《さえぎ》られていて、近よることが出来ませんでした
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