がんだ。すると女は怒って男の襟をつかみ、ふり廻し、「私を唯の女と思ってるのか?」とおどした。男も黙っていなかった。「この畜生!」と怒鳴ると女の首を絞めた。女は手を合せて拝み、それからは大人しく何でも男の云う事に従った。何か新らしい事を教えると女は男を尊敬するようになるのである。
それだから、あのアバズレ共が今になって何れ程私から新しい世界を見せられ、そこへ導かれたかは云う迄もないであろう。
来た手紙には斯う書いてあった。
「……本統に私達は生きていたくありません。生きていたって、生きている気持がしていませんわ。」私は口惜しそうにそれを破きすてた。
又その次に姉丈が一人で手紙を寄越した。
「……貴方は何んと云う方でしょう。愛する印だと云って私の腕へSと云う形の傷をおつけになりましたね。そして、ああ何と云う事でしょう。妹の腕を見たら……そこにも矢張り、Nと云う傷がありましたわ。私は貴方の心持が分らないで泣いて居ります。」之が新らしい教えの一つである。
又その次に妹の方がサッサとよこした。
「………私丈を連れて逃げて下さい。私は怨んでいますよ。」
それから別々に沢山来た。又一緒に書
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