愍れんだ。あの一人の朝鮮人に、私の生命の半分がつながっている。私を見ようと思えば、彼を見るが好い。若し私が彼であったら、私は彼のなした通りをせねばならなかったであろう。いや、聖者と呼ばるる特別の人を除いたあらゆる普通の人なら、彼の如き境遇の中で、その徳と智慧とを完全に保つ事は六ケ敷いであろう。
彼は悪い男である。それに何の間違いがあろう。けれど私は余りに好く知っている。他の事を、他の事を、斯んな種類の悪は自身で自然に湧き起る力のないことを! 之は善を隔たる一歩のものであることを!
復讐の代償
未だ何かが続いている。
私の所へ不愉快な手紙が達いている。それは例の哀れな姉妹からであった。彼等は初めの中こそアバズレであったが、今ではまるで継子のように言葉も少くなって了っていたのである。男を知ってから縮み上って大人しくなる女は決して少くない。私のある知り合いは電車の中である女と近づきになった。二人は図々しく郊外の畑道を歩いた。男は好い気になって女と関係し、それから小使いを呉れとせがんだ。女は一円呉れて、あとはお前と一緒に連れ添うてからやると云った。男は承知しないでもっと出せとせ
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