いても来た。もう無茶苦茶に書いてあったり、丁寧に考えて書いてあったりした。大概は馬鹿な事が云われ、時には利巧な事も云われてあった。無為に然も急速に時がたって、又手紙が来た。
「……貴方は何故何うにかして下さらないのです。私達は之から何うなりますのでしょう。ああ、困ります。
今日或る人が噺した事を聴いて、私達はふるえました。それは斯うで御座います。
去る十二日、身元不明の妊娠女の溺死体が石油庫の前の川へ流れて参りますと、続いて又異った妊娠女の死体が出て参りました。一方は初めから浮いていました。もう一つの方は呼ばれたように底から出て来て、浮いてる方のそばへ行きました。すると両方の鼻から血が出たと云う事でした。あとで検べたら、二人は同じ模様の長襦袢を着ていました。二人は姉と妹であったのです。姉は妊娠四ケ月妹は五ケ月であった相です。妹の方が一ケ月先へ妊娠していたのです。ああ、貴方何う云うお積りなのですか。分りません。私達は泣いて居ります。この人々のようになったら何うしましょう。そして、この人々のようになるのは随分たやすい事ですわ。二人で心を痛めておりますわ。ああお怨み申します。」
まずい
前へ
次へ
全146ページ中86ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
松永 延造 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング