のえ、新しい行李をも担ぎ込んでやった。
「では、働いてお呉れ。」私は涙をこぼして低能な妹を見やった。妹はもう子供のように泣いた。
本統に斯んな哀れな娘は生きていない方がよい。何うかして早く死んで了う方法はないであろうか、と私は可愛さ余って呟いた。妹は続けざまに泣いた。私が病院の裏口を出ると、追いかけてかじりついた。私は妹を抱き上げて門の中へ入れねばならなかった。けれど私が逃げ出すや否や、異常に太っている妹の腕はもう私の首へからんでいた。私はぞっとなった。その腕をもぎ離すと、今度は地面へ坐って、私の足へからみついた。私が構わずに歩き出すと、彼の女は平気で引き擦られて来た。私は又妹を抱いて病院の門内へ入れた。
「許して呉れ。」と私は泣いた。
「アア兄さん。」と妹は口を開いたまま涙を落した。
私は妹の執愛の深さを無気味に思って、「死んで呉れると好い。」と呟き乍ら大急ぎで妹から別れ去った。
四十二円の金は二十一円丈私の手に残っていたが、私はそれを少しずつ喰い減らして行った。最後の一円丈が軽い財布の底に見出された時、私は思い切って一つの商売を初めねばならなくなった。その商売は犬殺しよりも少
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