彼等は燈火の光を厭相に眉へ皺を寄せて見やり、又独り言を呟いて、静かに! と注意されたりしました。皆が皆背光性の虫か長い魚の様でした。
『覚えてお出でなさい!』私はその言葉を考え続けて居りました。私は思い切って外へ飛び出し、夜更の町を通って、警察へ此の事を訴えました。大勢の人は巧みに逃れましたが、父丈は酔っていた為めに捕えられて了いました。
 斯んな忌わしい事件が起って後、若い母親の機嫌は大変嶮しくなりました。『お前は父親を罪人にした不孝者だ。何うして此の仕損じを償うか。』と私は責められました。そして私の良心も堪えられぬような手痛い傷を受けて悩み初めていたのです。私は真にあの罪の憎む可き事を考えて警察に訴えたのか? それとも父へ向って実母と自分との受けた侮辱を復報するためであったか? それが混乱した頭には分りませんでした。
 その中に父が監獄から帰って来て、大きい荒立った声で申しました。
『娘! 貴様に今日からバクチのやり方を教えてやるぞ! 馬鹿! お父さんに勝てる迄修業するんだ。さあ、やれ、斯うするんだ!』
 私は泣いて謝罪しましたが、気の荒立った父は何うしても肯きませんでした。監獄へ
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