東山時代における一縉紳の生活
原勝郎
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)被《おお》わんと
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)一|縉紳《しんしん》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)物※[#「總のつくり」、「怱」の正字、356−上−15]《ぶっそう》
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予がここに東山時代における一|縉紳《しんしん》の生活を叙せんとするのは、その縉紳の生涯を伝えることを、主なる目的としてのことではない。また代表的な縉紳を見出すことが至って困難であって見れば、一人の生活を叙して、それでもって縉紳階級の全部を被《おお》わんとするの無理なることは明白だ。しかしながら予の庶幾《しょき》するところは、その階級に属する一員の生活の叙述によりて、三隅ともに挙げ得るまでには行かないでも、せめてこれによって縉紳界の一半位をば想知することを得せしめ、もしなおその上にでき得べくんば、当時の文明の源泉なる京都における社会生活の一面を、これをして語らしめようというにある。
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