に取りて好参考資料であることは、改めて贅説《ぜいせつ》を要しないであろう。
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第十章 進歩的啓示
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問『あなた方の啓示は、却って民衆の心から信仰を奪う結果になりはせぬか……。』
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新啓示と一般民衆[#「新啓示と一般民衆」に白丸傍点]――汝の疑惑の存するところはよく判る。われ等はこれから右に就《つ》きて、十二分に所見を述べようと思う。われ等はわれ等の使命の、神聖なることを信じて疑わぬ。時運さえ熟せば、天下の民衆は、必ずわれ等の指示に従うに相違ないのであるが、それまでには、民衆に対して多大の準備教育を必要とする。現在に於《おい》てわれ等の提唱する所を受け容れることのできるのは、ホンの少数の先覚者――つまり一般民衆の先達として、指導者の位置に就くべき、少数の先駆者のみに限られる。一体いずれの時代、いずれの国土に於《おい》ても、これに例外はない。旧知識に満足して居る無智の大衆は、必ず新知識に向って、反抗の声を揚げるのが常則となって居る。かのイエスとても同様の憂目を嘗めた。
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