器を引張り出す為めの、兵器庫の観を呈して了《しま》った。
兎に角そうした手続で出来上った所謂神学が、われ等の主張と相容れない所があるのは、寧《むし》ろ当然ではないか。われ等は神学とは全然没交渉である。神学はまるきり地上の産物である。神学者の教うる神の観念は、野鄙《やひ》低劣《ていれつ》を極め、そしてその主張は、魂の発達に対して、最も有害なる影響を与える。われ等は断じてこれに与しない。われ等の使命は、寧《むし》ろ既成の神学を撲滅し、これに代うるに、より正しき神の教を以《もっ》てすることである。
神に就《つ》きての観念が、何故にかくも謬《あやま》って居るかに関しては、そこに別な理由がないでもない。それは地上の人類が、もともと霊的、象徴的であるべき事物をば、あまりにも文字通りに解釈したことである。地上の人達の、想像だも為し得ざる事柄を通信するに当り、われわれは止むを得ず、人間界の措辞用語を借り、時とすればうっかりして、真意とは大分縁遠い言葉を使ったりする。いかなる霊界通信にも、そう言った短所がある。霊界通信が、文字通りに解釈されてはたまらぬ所以《ゆえん》である。一切の啓示は、皆象徴的であ
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