為めに断絶することはない。同棲はしないが交通はする。距離は地上に於《おい》てすら無視することができる。霊界にありてはそんなものは全然存在しない。
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(評釈) 説明の言葉は簡単だが,この一章は人生の問題に触れて居《お》り、貴重なる教訓をわれ等に与《あた》うるものである。かの仏教の安価なる一蓮托生説だの、基督《キリスト》教の一本調子な恋愛至上説だのは、僅《わず》かに真理の一部を掴んだに過ぎざる、甚《はなは》だしく歪んだもので、到底今後の人類を率いるに足りない。これに比すれば、この章に説かれて居る所は、まさに天地の相違で、穏健、周到、着実、どこに一点の無理もゴマカシもない。これが一般民衆によりて味読さるるに至った時に、恐らく結婚に伴う幾多の謬想《びゅうそう》が除かれるであろう。
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      第七章 真の宗教

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問『霊界通信の眼目は何れにあるか?』
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 通信の目的[#「通信の目的」に白丸傍点]――われ等の仕事を妨ぐる障害物は、一にして足りないが、先ず最も当惑《と
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