永遠不滅の適合性が、両者の霊的教育に不可欠の要素として役立つからである。斯《こ》うした場合には勿論《もちろん》地上の夫婦関係は永遠に続くといえる。少くとも愛の生活が、相互の利益である間は、一緒に住んでいるが、或る時期に達して、別れて住むことが望ましくなれば、彼等は何の未練もなしに、各自の行くべき途《みち》を辿る。何となれば、こちらの世界では交通は物の数《かず》でなく、離れていても、立派に相互の胸奥《きょうおう》を伝《つた》えることができるからである。強いてこの法則を破ることは、徒《いたず》らに不幸の種子であり、進歩の敵である。霊界の規則は断じて之《これ》を許さない。
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問『夫婦というものは、精神的又道徳的には、必ずしも同一線上に居なくても、立派に愛し合っていられると思うが……。』
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愛する魂[#「愛する魂」に白丸傍点]――むろん相互愛に充たされたる夫婦は、永久に別れて了《しま》うことはできない。兎角《とかく》人間の考《かんがえ》は、時間と空間とに拘束されているので、われ等の住む世界の真相が、腑に落ち難いようである。愛す
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