には、あまり面白いとは言われないのである。
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問『食物の欠乏から来る心身の衰弱は如何?』
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節制第一[#「節制第一」に白丸傍点]――われ等の推奨する所は、ただ節制の一語に尽きる。肉体が食物の補給を必要とするは勿論《もちろん》なれど、ただそれが完全に消化した上でなければ、交霊実験を試みてはならぬ。次に又精神肉体が睡眠を求め、休養を求むる時にも、又疾病苦悩に煩わされて居る時にも、われ等の認可を受けた上でなければ、成るべく、交霊を差控えるがよい。同様に肉体が食物で充填し切って居る時も、兎角下級霊の為めに先手を打たれ勝ちで甚《はなは》だ困る。かの物理的心霊現象でさえもが、そうした場合に起るのは、概してお粗末で、精妙優雅の要素に欠けている。何《いず》れにしても、極端に走るのが良くない。断食の為めに消耗し切っている肉体も、少しも使いよいとは言われないと同時に、暖衣飽食によりて、えごえごしている肉体も甚《はなは》だ面白くない。友よ、若《も》しも我等の仕事を容易ならしめ、最良最上の成績を挙げんとならば、須《すべか》らく交霊会には肉体が
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