な霊媒……ずっと上層からの通信を感受し得る、適当な霊媒を選び出すことである。先ず第一にその人物は、受動的の心の所有者《もちぬし》であらねばならぬ。何となれば、本人の心が吸収する丈《だけ》しか、何事も注入し得ないからである。次にそれは愚かなる人間界の先入主《せんにゅうしゅ》から、全然脱却したものであらねばならぬ。利害得失の打算から、真理の指示に背くような魂では、とてもわれ等の用途にはならぬ。
更に又その人は、一切の宗教宗派的のドグマの捕虜であってはならぬ。これと同様に、一知半解式の知識の所有者であってもならぬ。それ等は自分の無知無学に気づかぬから、手がつけられない。われ等の求むる所は、どこまでも自由で、素直で、純情で、知識慾が旺盛で、真理の吸収にかけて飽くことを知らぬ、清き魂の所有者《もちぬし》であらねばならぬ。
次にわれ等の仕事は、積極的の自主的意見に捕えられて、矢鱈《やたら》に反対したり、又個人的欲望の奴隷となりて、白を黒と言いくるめたりするような人であっては、殆《ほとん》ど何事も為《な》し得ない。そうした場合には、右の人物の悪癖の矯正に手間どれて、剰《あま》すところが幾何《いく
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