識的の通信さえも為し得ない。が、彼等の素直な性質は、霊的感化を受け易く天使達の監視の下に、その純情が驚くべく開発されて来る。その結果、次第に意識的に、霊界通信を行い得るようにもなり、又|或《あ》る程度の霊視能力を恵まれて、折ふし他界の状況を瞥見《べっけん》することにもなる。彼等の背後に控えて働くのは、通例|或《あ》る情深《なさけぶか》い霊的存在で、印象的に、絶えず必要な指導を与える。斯《こ》うした人達は、いつも愛と平和の清き雰囲気の裡に包まれ、生きては輝かしき人間の模範と仰がれ、死すれば直ちに安息の境地に迎えられて、平和の真光《まひかり》に浴するのである。
それから又他の霊媒達は、理知的に発達を遂げて居《お》り、知識の拡布《かくふ》、真理の普及に使われる。その背後に控えているのは、皆進歩した霊界居住者達で、或《あるい》はよき思想を送ったり、或《あるい》はよき方法を指示したり、あらゆる手段に訴えて、遺憾《いかん》なく感化影響を及ぼそうとする。霊界の用うる手段たるや、何れも巧妙をきわめ、とても地上の人間には窺知《きち》し得ないところがある。この際霊界人にとりて、何より困難を感ずるのは適当
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