察して世界平和の大計を講ずる資格があるであろうか。霊界の先覚から、『盲目なる哉《かな》地上の人類』と一喝されても、まことに致方がないように思われる。二十世紀の現代には、改善すべきものが尚お無数にある。獄舎制度も面白くないが、教育制度も甚《はなは》だ面白くない。まるきり心霊の知識を欠ける人類は半盲人である。到底|碌《ろく》な考えの浮ぶ筈がない。私は衷心《ちゅうしん》から、日本国民よ、何所《どこ》に行くと叫びたい。
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第三章 幽明間の交渉
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問『前回の通信を草した時、自分は非常に疲労を覚え、脳の底部に激痛を感じた。その原因は何であったか?』
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現代立法の不備[#「現代立法の不備」に白丸傍点]――汝《なんじ》が頭痛を覚えたのは、畢竟《ひっきょう》われ等が、あまりに多量の力を用い、しかもそれが、あまりに急激に行われたことに基因する。あのような重大問題を論ずるに当りては、われ等とても、勢い多少の昂奮《こうふん》を免れない。天授の神律《しんりつ》に対する絶対服従の必要を、地上
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