れ霊界の居住者から観れば、戦とは激情に駆られたる霊魂達から成れる、二つの集団間の抗争である。それ等の霊魂達は、悪鬼の如く荒れ狂いながら、陸続《りくぞく》として肉体から離れて幽界へなだれ込む。すると其所《そこ》には、残忍性にとめる在来の堕落霊どもが、雲霞《うんか》の如く待ち構えていて、両者がグルになって、地上の堕落せる人間に働きかけるから、人間の世界は層一層《そういっそう》罪と、汚れの地獄と化して行く……。そしてかかる惨劇の起る動機はと問えば、多くは地上の権力者の只《ただ》一片の野心、只《ただ》一場《いちじょう》の出来心に過ぎないのである。
嗚呼《ああ》友よ! 地上の人類は、まだまだ学ぶべき多くのものがある。彼等は何よりも先《ま》ず、まことの神と、まことの神の為めに働きつつある霊界の指導者と、を知らねばならぬ。真の進歩はそれからである。地上の無智なる者は、或《あるい》はわれ等の示教に対して、侮蔑の眼を向くるであろうが、それ等はしばらく後※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]しとし、智慧の教を受け入るることを好む進歩的頭脳の所有者に、われ等の霊界通信を提示して貰いたい。必ずや何等《な
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