ヴェランダにて
堀辰雄
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)題辭《エピグラフ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)「|置き換へ《トランスポジション》」
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#二の字点、1−2−22]
〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ
(例)〔Le vent se le`ve, il faut tenter de vivre.〕
アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください
http://www.aozora.gr.jp/accent_separation.html
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一九三五年晩秋。或高原のサナトリウムのヴェランダ。二人の患者の對話。
A 君はよくさうやつて本ばかり讀んでゐられるなあ。
B うん。どうも書くことを禁ぜられてゐると、本でも讀んでゐるより他に時間のつぶしやうがないからね。しかし、かうやつて本でも讀みながら、それとなく次の仕事のことでも考へてゐるうちが、僕等には一番愉快なのだよ。
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