らっしゃるのかさえ見分けられないようにおさせして、とうとうこんな思いがけないような結果にならせてしまったのは、この日頃の私、――いつの頃からか男という男のあらゆる運命に対してともすれば皮肉になりがちな、しかもそんな自分を自分でもどうしようもない、この私の所為《せい》だったのではなかろうか。そんな気にも私はどうかするとなり兼ねないのだった。……
 そういう一抹の不安のないこともない私に、道綱が何かそわそわとして黙って一通の文を届けてくれたのは、丁度きのうの事である。まあ、おめずらしい、殿の、と思ったら、それは思いがけず頭の君のだった。しかし、道綱の手前、何気なさそうにして手にとって見ると、「本当にわれながら浅ましい姿になり果てました。いくら心にもないことだと私が申しましても、お聞き入れにはなさいますまい。こんなどうしようもない羽目にならない先きに、どうしてもう一度なりとあなた様のお目にかかってしみじみとお語らいしなかったのだろうと、悔やまれてなりませぬ。――」
 そのあとに何やら歌のようなものが書かれてあって、その上が墨で消されてあった。私はその一部分を辛うじて判読した。「……をしむはき
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