の把握することのできぬ、またおそらく思惟によっては何らか触れることさえできぬ、他の無数のものが存するといことは、妨げとはならない。というのは、有限であるところの私によって把握せられないということは、無限なるものの本質に属するものであるから。そして私がまさにこのことを理解することで、そして私の明晰に知覚し、何らかの完全性をもたらすものとして知る一切のものが、なおおそらくまた私の知らない他の無数のものが、形相的にか優越的にか神のうちに存すると判断することで、私が神について有する観念が私のうちにあるすべての観念のうち最も真で、また最も明晰で判明であるためには、十分なのである。
 しかしおそらく私は自分で理解しているより以上の或るものであるかもしれない、しかして私が神に帰するところの一切の完全性は、たとい私においては未だ自己を顕現せず、また現実性にもたらされないにしても、何らか可能的には私のうちにあるかもしれない。というのは、私は実際に私の知識が漸次に増大せられることを経験し、そしてそれがかようにして無限にまでますます増大せられないように何が妨げるのか、また何故に、この知識がかように増大せられ
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