養生心得草
關寛

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)毎日《まいにち》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)六|時《じ》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#ここから9字下げ]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)少々《せう/\》
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[#ここから9字下げ]
┌明治八年四月徳島新聞第七號の附録として┐
└世人に頒ちしものなり         ┘
[#ここで字下げ終わり]

[#ここから改行天付き、折り返して2字下げ]
第一 毎日《まいにち》六|時《じ》に起《お》き、寢衣《ねまき》を着替《きか》へ、蒲團《ふとん》の塵《ちり》を拂《はら》ひ、寢間《ねま》其外《そのほか》居間《ゐま》を掃除《さうじ》し、身體《しんたい》を十分《じふぶん》安靜《しづか》にして、朝飯《あさはん》を食《しよく》する事《こと》。
第二 毎日《まいにち》の食餌《しよくじ》は三度《さんど》を限《かぎ》り、分量《ぶんりやう》を定《さだ》む可《べ》し。夜中《やちゆう》に飮食《いんしよく》せざるを最《もつと》もよしとす。但《たゞし》食後《しよくご》は少時間《しばらく》休息《きうそく》し運動《うんどう》を始《はじ》むべき事《こと》。
第三 酒《さけ》茶《ちや》菓子《かし》の類《るゐ》は食時《しよくじ》の節《せつ》少々《せう/\》用《もち》ゐて飮食《いんしよく》の消化《せうくわ》を扶《たす》くるは害《がい》なしと雖《いへど》も、その時限《じげん》の外《ほか》退屈《たいくつ》の時《とき》用《もちゆ》る等《とう》は害《がい》ある事《こと》。
第四 長日《ちやうじつ》の間《あひだ》は、午後一時《ごゞいちじ》の頃《ころ》半時計《はんじばかり》の晝眠《ひるね》は養《やしなひ》の扶《たすけ》となることあれども、其他《そのた》は决《けつ》して日中《につちゆう》睡臥《すゐぐわ》を禁《きん》ず可《べ》き事《こと》。
第五 坐時《すわりてをる》と起時《たちてをる》と平均《みなら》して、七歩《しちぶ》は起《た》ち三歩《さんぶ》は坐《すわ》る位《くらゐ》にして、坐《すわる》にのみ過《すご》す可《べ》からざる事《こと》。
第六 毎日《まいにち》一度《いちど》は冷水《ひやみづ》或《あるひ》は微温湯《ぬるゆ》にて身體《からだ》
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