きの戯曲は戯曲にあらざるなり。罪過の発生、成長を巧みに写すこと能《あた》はざるものは、拙劣の作者なり。
 アヽ罪過が戯曲、小説に於ける地位、斯《かく》の如く重要なり。敢《あへ》て罪過論を艸《さう》して世上の非《アンチ》罪過論者に質《たゞ》す。
[#地から2字上げ](明治二十三年四月一、二、三日)



底本:「現代日本文學大系 9 6文藝評論集」筑摩書房
   1973(昭和48)年7月10日初版第1刷発行
入力:j.utiyama
校正:八巻美恵
1998年3月18日公開
2005年11月26日修正
青空文庫作成ファイル:
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