世界は滅びるが、滅びたままには留まらない。それは新たに若き存在に甦へるであらう。これは無よりして有を呼び出す創造の惠みのなす所である。しかも人格の共同の場合と同じく、ここでも復活は同時に完成である。しかしてこのことはここでも一切が新たに創造されながらしかも同一性が保存されることを意味する。その同一性はここでも結局愛の主體としての神の同一性、神の眞實《まこと》、に基づく。この世の一切の時の終末とともにレーテー(〔Le_the_〕 忘却)の流れに打沈められて過去となる。それが無よりして有へ再生するのは、この世そのものの力いはばそれの記憶力によるのではない。この世は全く無に歸する。ただ神の根源的囘想の眞實《まこと》、愛の主體としてのかれの人格的同一性のみこの不思議をなし得るのである。時間性のあらゆる汚れを拭ひ去られて永遠の光に映え輝く若き新たなる天地が、それのうちにいかなる内容を包含するかは、殆ど全く想像をさへも無力にする。ただ次の事どもは或は言ひ得るであらう。この世においても、愛の光の輝く處では、自己實現を本質とする文化的活動もすでに神の言葉の實現を意味した。すべての存在の基礎をなす自然的
前へ
次へ
全280ページ中278ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
波多野 精一 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング