に對してはむしろ實體の地位を占める、無時間性の意味においてのみ永遠的なる、この Idee が、〔An und fu:r sich〕 に對するこの Ansich が却つて實力の源でなければならぬであらう。かくの如きものとしては Idee も主體性を具へ自己實現をなすものであらうが、それは結局主體性の觀念、觀念の自己實現に過ぎず、有限者の出現に先だつ神の覆はれぬ姿とも考へられようこの觀念世界も結局肉も血もなき單なる「影の國」(幽靈の國)に盡きるであらう。文化及びそれの歴史にそれ自らの永遠性、自らの力による死の克服を許さうとする企ては、かくして、悉く失敗をもつて報いられる。人間の文化・人間の歴史は時の終末とともに同じく終末に達し同じく死と壞滅との淵に溺れねばならぬ。
然らば自然はどうであらうか。ここに自然といふのは、吾々が生の原始的基本的段階として論じた自然的生と親密なる聯關にあるが、全く同一ではない。それは實在者の世界において文化的主體性まで昇りえぬ一切のもの、從つて人間を除外した凡ての實在者の總體に通常與へられる名である。それとの交渉は勿論先づ自然的直接性において行はれるが、それ以上に
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