つ留まるであらう。完全なる純粹なる愛と感謝と歡喜――ここに永遠に生きる者の盡きぬ淨福は存する。
死後の生は時の終りの世である。それは單獨なる存在ではなく、相共にある存在、即ちその意味においてすでに世界である。この新たなる永遠の世界は時の終りにおいて時間的存在が完全に克服されてはじめて現はれる。人間的主體が死を經てはじめて永遠の生に甦る如く、世界もまた終末に達せねばならぬ。死は單に主體そのものを見舞ふばかりでなく、主體が相共にある一切の時間的存在者の共通の運命である。この現實的世界は自然的文化的生の全體並びにそれのうちに含まれる乃至それと聯關する一切の存在を包括する。人間の世界即ち文化の世界と、人間的及び文化的より特に區別されたる意味における自然の世界と、がそれの内容である。時の終りに顯はになるべき永遠への希望は當然文化及び自然の世界の運命について關心を呼ぶであらう。滅びる世界ははたして新たなる存在に甦るであらうか。人間的主體とそれの共同とに關して與へられたと同樣の答はここにも與へられねばならぬ。世界は創造の惠みによつて滅びるであらう、しかして更に新たなる存在をもつて死の中より生れ出る
前へ
次へ
全280ページ中272ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
波多野 精一 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング