しかるに美しき對象への愛は又他方「よきものが永遠に自己のものであること」へと向ふ。すなはち善において價値において自己を實現しつつ永遠性不死性を獲得することがエロースの努力の向ふ所である。その際美は、善の特に優秀なるものとして、結局一切の價値を支配し包括する。さて、愛がなほ自然的實在者へと向ふ間は、不死性(永遠性)は、或は子孫における生の存續の如き或は後の世に遺される不滅の名不朽の功績の如き、いはば間に合はせの代用品をもつて滿足せねばならぬ。しからば眞の不死性はいかにして獲得されるか。自然的實在者との聯關を斷ち切ることによつて。すなはち、主體は先づ活動より觀想へと轉じる。次にそれは美しきものの段階を、物質的のものより精神的のものへ自然的のものより文化的のものへと、しかも特にそれらを美しくあらしめる共通性に注意を拂ひつつ、一段一段と昇る。昇り切つた處突然眼前に立現はれるものは何であらうか。美そのもの――時や處やその他すべての關係性を超越し、基體としての自然的實在者をも離脱し、それ自らとしていつも同一なる自己の姿と生ずることも滅びることもなき永遠の存在とを保つ、自主獨立的存在者としての美、美
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