一切の根源に位し生のあらゆる形態を支へる基礎的層は自然的生である。それは主體と實在的他者との直接的交渉において成立つ。他者との交渉があり從つて接觸がある限り、相共にする何ものかがなければならぬ。現に主體は他者を離れて單獨に孤立しては存立し得ぬのである。ここに共同に類する或る關係が存在するはいふまでもない。自然的生がすべての生の基礎をなすことを思へば、この關係はすべての共同の基礎をなすといひ得るであらう。しかるに他方より觀れば、この關係こそむしろすべての共同の破壞の口火なのである。直接性において他者と交はる主體、他者に對してただまつしぐらに自己を主張する主體にとつては、他者は障碍と反抗とを意味する外はない。從つて自己主張の成就は他者の滅亡を意味せねばならぬであらう。逆にまた、他者が飽くまでも他者として存立する以上――この存立は主體そのものの存立の必要條件である――他者との交はりは主體にとつては壓迫侵害であり、自己の存在の亡失であるであらう。そこまで徹底を求めぬとしても、自然的生における他者との直接的交渉は、純粹に外面的なる單純に對他的なる關係である。吾々は根源的空間性をここに見出した(一
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