王様《わうさま》は。婆「十|王様《わうさま》は宮様《みやさま》同様《どうやう》なお家柄《いへがら》でございますから、何《なに》も御用《ごよう》はないのでございませう。岩「銭札《ぜにふだ》を付《つ》ける奴《やつ》などは何《ど》うして。婆「彼《あれ》は書記官《しよきくわん》に成《な》つて居《を》ります。岩「えらいもんですね、鬼《おに》なんぞは矢張《やつぱり》角《つの》が有《あ》りませう。婆「いゝえ、鬼《おに》の角《つの》は皆《みん》な佐藤《さとう》の老先生《らうせんせい》が入《い》らしつて切つてお仕舞《しま》ひなさいました。岩「へえゝ。婆「ちよいと小《ちい》さいシヤツポを冠《かぶ》り、洋服で歩いて居《ゐ》ますから知れませんよ。岩「あの浄玻璃《じやうはり》の鏡に業《ごふ》の権衡《はかり》は何《ど》うしました。婆「業《ごふ》の権衡《はかり》は公園にお茶屋《ちやゝ》が有《あ》りまして、其処《そこ》に据付《すゑつ》けて有《あ》りますが、皆《みな》さんが僕《ぼく》は地獄《ぢごく》へ来《き》てから体量《め》が増《ふ》えたなどゝ云《い》つて悦《よろこ》んで居《を》ります、浄玻璃《じやうはり》の鏡は、スト
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