、それから段々慾が増長し、御新造様のくすねた金を引出して、五両一の下金貸《したかねかし》、貧乏人の喉を搾《し》めて高利を貪り仕上げた身代、貯るほど穢《きたな》くなる灰吹同前の貴公達の金だ、仮令《たとえ》借りても返さずには置かないのに、何だ金比羅詣り同様な銭貰いの取扱い、草鞋銭とは失礼千万、たとい金は貸さないまでも、遠国から出て来て、久しぶりで尋ねて来たのだ、此様《こん》な家《うち》へ泊りはしないが、お疲れだろうから一泊なさいとか、また鹿角菜《ひじき》に油揚の惣菜では喰いもしないが、時刻だから御飯をとか世辞にも云うべき義理のある愚老を、軽蔑するにも程があるて」
由「おや大層お威張りだねえ、何ですとアノ」
茂「お由黙っていろ、強請《ゆすり》だから」
玄「なに強請だ、愚老が強請なら貴公達は人殺《ひとごろし》の提灯持だ」
茂「やア、とんだ事をいう奴だ、何が人殺だ」
玄「聞きたくば云って聞かせるが、貴公達は龜甲屋の旦那の病中に、愚老へ頼んだことを忘れたのか」
と云われて、夫婦は恟《びっく》りして顔色を変え、顫《ふる》えながら小さな声をして、
茂「これサ、それを云やア先生も同罪だぜ、
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