さんが堅いから出しません」
岡山「愚弄いたすな、来《き》なければ来《こ》んで宜《よ》い、此の方の酒食いたした代価は払わぬから左様心得ろ」
重「それは困ります」
岡山「困るたって、何故べん/\と待たした、来るか/\と思って要らんものまで取った」
重「貴方が召上ったので」
岡山「それは出たから些《ちっ》とは食う、食ったけれども代は払わぬ……」
桑原「いや、それは代は払っても宜《よ》いが、能く積っても見なんし、どう考えてもいやに釣られて、小峯が来るか/\と思って、長い間時間を費し、それ/″\要用《ようよう》のある身の上、どう云う理由《わけ》か我々どもを人力車夫《くるまや》同様に取扱われては迷惑だから、親方を此方《こちら》へ呼ばって貰おう、どれほど此の家に借りでもあるか、芸妓《げいしゃ》に祝儀でも遣らぬ事があるか、どう云う次第か、さアそれを聞こう、呼ばって来い」
重「前橋へ往って居ないと申しますのに」
岡山「前橋へ往った……帰るまで待とう」
重「何時《いつ》帰るかどうも知れません」
岡山「帰るまで泊って居《い》る」
 と云いながら突然《いきなり》重吉の頭をポカン。

重「おや何で打《ぶ》つので
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