お臀《しり》が大きかったりするが、お隣の御新造は別で」
幸「峰公ひどかッたろう」
由「だけれども奥様のお癪を押すのは嬉しかったろう」
峰「そうさ、初めは嬉しかったが、段々ひどくなって来て、仕舞には一人で、押し切れず困りました」
由「そこへ私が後押《あとおし》で、旦那の下帯で綱ッ引《ぴき》と来たら水沢山もかるく引上げました」
幸「悪いよ、静かにしろ」

        二十三

由「何でもあれは後家|様《さん》だねえ……好《よ》い女だ」
幸「止しねえ、何だか知れるものか」
由「いゝえ後家さんだ、姿《なり》の拵えが野暮でござえます、お屋敷さんで殿様が逝去《おかくれ》になって仕舞ったので、何でも許嫁《いいなずけ》の殿様が戦争《いくさ》で討死《うちじに》をして、それから貞操《みさお》を立てるに髪を切ろうと云うのを、年が若いからお止しなさいとお附の女中がとめて、再縁をさせようと云うが、御夫人は貞操を立て、生涯尼になってと云うのでげしょう……形装《なり》も宜し、金側の時計に鎖は小さな珊瑚珠が間に這入ってゝ、それからこう頸《くび》へかける、パチンなどはこんな幅の広いので、竜が珠をこうやって居《お》る
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