しいことはありません、時にお茶代の礼に来ましたか」
幸「未だ来ない」
由「へえ腰が温《あった》まり草臥《くたぶれ》が脱《ぬ》けます、這入ってお出でなさい」
幸「初めてで勝手が知れぬから、代りばんこに気を付けて、湯場《ゆば》は危険《けんのん》だから」
由「そう湯場働《ゆばばたらき》というのがあります、湯場を働くに姿を変えてというのは河竹《かわたけ》さんに聞いた訳ではありませんが、芝居の台詞《せりふ》にもありますから気を付けて、何かゞ面白いからうっかり致します……」
婆「こゝな処に世帯《しょたい》をお持ちなせえやんすか」
幸「恟《びっく》りした、何んだえ」
婆「こゝな所《とけ》え炭斗《すみとり》を置きやすが、あんた方又|洗物《あらいもん》でもあれば洗って参《めえ》りやすから、浴衣でも汚れて居《お》れば己が洗濯をします」
幸「お前何だえ」
婆「賄いの婆《ばゞア》で、あんた方のお世話アするからお頼み申しやんす」
幸「頼みやんすは面白い、勝手を知りませんから万事お前に委《まか》せるからよ、お前|何歳《いくつ》だえ」
婆「私《わし》は六十一になりやんす」
由「フウ田舎の人は丈夫だから此の年で働ける
前へ
次へ
全281ページ中131ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング