軒で、女郎《じょろう》が一人居りやんす」
由「閑静なものだね……やア勘定《かんじょ》は幾許《いくら》になるえ」
女「ヒエ、九十|銭《せね》若衆《わかいしゅ》が十二せねで、金一円二|銭《せね》になりやす」
由「申し旦那|銭々《せね/\》というのはどうも面白い……六十五せねの馬はこれかえ」
馬「はいはい」
由「コウ馬士《まご》さんどうだい、馬は暴《あ》れはせんかえ」
馬「えゝ起《た》ちもしねえが噛《く》いもしねえ」
由「起ったり噛われたりして耐《たま》るものか、大丈夫かえ」
馬「大丈夫《だえじょうぶ》で、なに牝馬《めんま》で、大概《たえげえ》往復《いきかえり》して居るから大丈夫で、ヘエ」
由「いゝかえ」
馬「さア其処《そけ》え足イ踏掛《ふんが》けちゃア馬の口が打裂《ぶっさ》けて仕舞う、踏台《ふみでえ》持って来てあげよう……尻をおッぺすぞ」
由「おッぺしちゃア危《あぶね》え、動《いご》くよ」
馬「動《いの》きやすよ活《い》きて居るから……さア貴方《あんた》確《しっか》りと、荷鞍《にぐら》へそう捉《つか》まると馬ア窮屈だから動きやすよ」
由「若衆いゝかえ大丈夫かえ、気を付けて」
馬「大丈夫《だ
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