文七元結
三遊亭圓朝
鈴木行三校訂編纂

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)文七元結《ぶんしちもとゆい》

|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)今|帰《けえ》ったよ

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)うだつ[#「うだつ」に傍点]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ノソ/\
   つく/″\(濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」)
−−

        一

 さてお短いもので、文七元結《ぶんしちもとゆい》の由来という、ちとお古い処のお話を申上げますが、只今と徳川家時分とは余程様子の違いました事で、昔は遊び人というものがございましたが、只遊んで暮して居ります。よく遊んで喰って往《ゆ》かれたものでございます。何《ど》うして遊んでて暮しがついたものかというと、天下御禁制の事を致しました。只今ではお厳《やかま》しい事でございまして、中々隠れて致す事も出来んほどお厳しいかと思いますと、麗々と看板を掛けまして、何か火入れの賽《さい》がぶら下って、花牌《はなふだ》が並んで出ています
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