年始まはり
三遊亭円朝

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)私《わたくし》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)十二|月《ぐわつ》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]
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 私《わたくし》は昨年《さくねん》の十二|月《ぐわつ》芝愛宕下《しばあたごした》桜川町《さくらがはちやう》へ越《こ》しまして、此春《このはる》は初湯《はつゆ》に入《はい》りたいと存《ぞん》じ、つい近辺《きんぺん》の銭湯《せんたう》にまゐりまして「初湯《はつゆ》にも洗《あら》ひのこすや臍《へそ》のあか」といふのと、「をしげなくこぼしてはいる初湯《はつゆ》かな」と二|句《く》やりました。板《いた》の間《ま》には余《あま》り人が居《を》りませぬで、四五|人《にん》居《を》りました。此湯《このゆ》は昔風《むかしふう》の柘榴口《ざくろぐち》ではないけれども、はいる処《ところ》が一寸《ちよつと》薄暗《うすぐら》くなつて居《を》ります。板
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