るのじゃ」
 などと是から納所部屋にて勝負事をする。予《かね》て二番|町《まち》の会所小川様から探索が行届《ゆきとゞ》き、十分手が廻って居《い》るから突然《だしぬけ》に手が入りました。
「御用/\」
 と云う声に驚きましたが、旅魚屋の傳次は斯う云う事には度々《たび/\》出会って馴れて居るから、場銭《ばせん》を引攫《ひっさら》って逃出す、庄吉も逃出し、眞達も往《ゆ》く処がないから庫裏《くり》から庭へ飛下り、物置へ這入って隠れますと、旅魚屋の傳次は本堂へ出ましたが、勝手を知らんから木魚に躓《つまづ》き、前へのめる機《はず》みに鉄灯籠《かなどうろう》を突飛し、円柱《まるばしら》で頭を打ちまして経机《きょうづくえ》の上へ尻餅をつく。須弥壇《しゅみだん》へ駈け上ると大日如来が転覆《ひっくり》かえる。お位牌はばた/\落ちて参る。がら/\どんと云う騒ぎ。庄吉は無闇に本堂の縁の下へ這込みます。傳次は馴れて居るから逃げましたが、庄吉は怖々《こわ/″\》縁の下へ段々這入りますと、先に誰か逃込んで居るから其の人の帯へ掴《つか》まると、捕物《とりもの》の上手な源藏《げんぞう》と申す者が潜《もぐ》って入《い》り
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