折れる、檀家の機嫌気づまとるは容易《ようえ》なものじゃアないじゃて、だから折々は気晴しも無ければ成らん、気を晴さんでは毒じゃ、泊っても宜《え》えがじゃ、眞達が檀家の者は宜え様にするから泊っても宜えがにして置くじゃ」
永「いや直《じき》に帰ります」
眞「もしお梅はん、大事に気晴しのなるようにして呉れんなさませ…あゝ私《わしゃ》なア済まぬが金《かね》十両借りたいが、袈裟文庫を抵当《かた》に置くから十両貸してくんなさませ」
永「此奴《こいつ》此間《こないだ》三両貸せてえから貸したが返さぬで、袈裟文庫、何《なん》じゃえ、出家の身の上で十両などと、汝《われ》が身に何で金が入《い》る」
眞「此間《こないだ》瞽女町へ往て芸者を買《こ》うたが、面白くって抱いて寝るのではないが遊んだので、借金が有るから袈裟文庫を預けようと思うたが、明日《あした》法事が有っても困りますから、是を貴方《あんた》へ預けて置いて、明日法事が有れば勤めてお布施で差引く」
永「黙れ、何だ二三百のお布施で埓《らち》が明くかえ、貸されぬ、うーん悪い処《ところ》へ往《ゆ》き居《お》って、瞽女町で芸者買うなんて不埓千万な奴じゃア」
眞「然
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