て居るぜ、お前知らねえのか、藤屋の亭主は留守で和尚は毎晩しけ込んで居る、一箇寺《いっかじ》の住職が女犯《にょはん》じゃア遠島になる、己《おら》ア二度見たぜ」
眞「じゃア藤屋の女房《じゃあま》と悪い事やって居るか」
傳「やって居るよ、己ア見たよ」
眞「それははや些《ちっ》とも知らぬじゃ」
傳「斯《こ》う為《し》ねえ、彼処《あすこ》へ往ってお前が金を貸してと云えば、否応《いやおう》なしに貸そうじゃアねえか」
眞「成程、じゃア私《わし》が師匠に逢《お》うてお前様お梅はんと寝て居りみすから、私に何うか賭博《ばくち》の資本《もとで》を貸してお呉んなさませと云うか」
傳「そんな事を云っちゃア貸すものか、そこがおつう訝《おか》しく云うのだ、人間は楽しみが無くってはいけません、私《わたくし》も女を抱いては寝ませんが、瞽女町へ往って芸者を買ったとか、娼妓《じょうろ》を買ったとか、旨いものが喰いたいから、二十両とか三十両とか貸せと云えば、直《じ》きに三十両ぐらえは貸すよ、お前《めえ》さんはお梅さんの酌でお楽《たのし》みぐらいの事を云いねえ」
眞「むう、巧《うま》い事を教えて呉れた、有難い/\」
 と悦びま
前へ 次へ
全303ページ中88ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング