ますので。
永「あゝ恟《びっく》りした、何《なん》じゃい」
梅「今お前さんの顔を見てお繼が逃出したので」
永「おゝ左様《そう》か、お繼は最前の事は何《ど》うじゃ、死骸を隠した事は怜悧《りこう》だから見たで有ろう」
梅「いゝえ見ませんよ」
永「いや見たじゃ」
梅「見やアしませんよ、お前さんは心配していらっしゃるが大丈夫ですよ」
永「然うかえ」
梅「お父様はと聞きますからお父様は山中の温泉場から上方へ往ったから、一二年帰らないと云ったら、私に抱かって寝られゝば帰らないでも宜《い》いと云います、お父さんは何処《どこ》へ往ったと聞くくらいだから知りませんよ」
永「知らぬか」
梅「大丈夫でございます、知る気遣《きづかい》ないと私は見抜いたから御安心なさいよ」
と云うので、是から亭主が無いから毎晩藤屋の家《うち》へ永禪和尚忍んで来ては逢引を致します。心棒《しんぼう》が曲りますと附いて居る者が皆《み》な曲ります、眞達という弟子坊主が曲り、庄吉という寺男が曲る。旅魚屋《たびさかなや》の傳次《でんじ》という者が此の寺へ来て、納所部屋でそろ/\天下|御制禁《ごせいきん》の賭博《いたずら》を為《す》る、怪
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