少女に討たれるくらいの事だから、最早どうせ其の方助かりはしない、さア汝も武士だから隠さず善之進を討ったら討ったと云え、云わぬ時に於ては五分試《ごぶだめ》しにしても云わせる、さア云わんか」
 と面《おもて》を土に摺付《すりつ》けられ苦しいから、
又「手前殺したに相違ござらん」
 と云うのが漸《やっ》と云えた。
山「繼、予《かね》て一人で手出しをしては成らぬと云って置いたが、お前一人で此奴《こいつ》を宜く討ったな」
繼「はい此処《こゝ》においでなさいますお方様が、私が転びまして、もう殺されるばかりの処へ助太刀をなすって下すったので、何卒《どうぞ》此のお方様にお父様《とっさま》お礼を仰しゃって」
山「うん此のお方が……何うもまあ」
宰取「はアまことに何うもお芽出度《めでと》うございます、なに私《わっち》は側に立っていて見兼たもんですから、ぽかり一つ極《きめ》ると、驚いて逃げる所を又|打殴《ぶんなぐ》ったんだか、まア宜《い》い塩梅《あんばい》で……お前さんは此の方のお父《とっ》さんで」
山「えゝ何うも恐入りました、只今は然《そ》ういうお身形《みなり》だが、前々《まえ/\》は然《しか》るべきお身
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