て「これだから担《かつ》げません」と云うから「手前《てめえ》は何《ど》のくらい力がある」「私《わたくし》は五十人力ある」と云うと、手下の奴が「そりゃア嘘だろう」「なに嘘じゃアない」「いや嘘だ、嘘は泥坊の初まりだが、こりゃア手前が嘘だ」「いや決して嘘でない」という争いになると、北條彦五郎が、なに此の位の物を脊負って動けぬことが有るものかと云うので、連尺《れんじゃく》を附けて脊負って立ちやアがった、大力無双《だいりきむそう》の奴だから、脊負って立ちは立った所が歩けないで、やっとよじ/\五六|足《あし》歩くと、修行者が後《うしろ》から突飛《つきとば》したから、ぐしゃッと彦五郎が倒れると、恐ろしい目方の物が上へ載ったから動きも引きも出来ない、すると修行者に首領《かしら》が打たれたと云うから、そりゃアと鉦《かね》太鼓で捕人《とりて》が行って、手下の奴を押えて吟味すると何処《どこ》から這入って何処から脱《ぬ》けるという事まですっぱり白状に及んだから、よう/\の事で浅間山の盗賊を掃除したと云うので、是れから其の修行者は剣術も心得て居るだろうから当家へ抱えろという事になって、これまで桜川《さくらがわ》
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