なり奉公をすると云うので、それからまア深川の菓子屋へ奉公に行ってるだ」
婆「はえゝ然《そ》うかえ、もう十三だって、早いもんだのう」
百「それで何だ、深川の猿子橋の側の田月《たげつ》という大《でか》い菓子屋の家に奉公をしてるだが、時々まアそれ親が恋しくなると見えて、来て呉れというので、私《わし》も野郎が厄介に成ると思って、菜の有る時は菜を抜いて持ってッたり、また茄子《なす》や胡瓜《きゅうり》を切って売《うり》に持って行《ゆ》く時にゃア折々店へも行くだ、するとまア私が帰ろうと云うと後《あと》から忰が出て来て、是は菓子の屑だから、父《とっ》さま帰ったらお母《っかあ》に食わせて呉れ、こりゃア江戸なア菓子だと云ってよこすから盗み物でア悪いぞと云うと、なに菓子屋じゃア屑は無暗《むやみ》に食うのだが、己《おれ》ア食いたくないから取っといて遣るのだと云って己《おら》がにくれる、己も心嬉しいから持って来て婆《ばゝあ》に斯う/\だと云うとなア、婆さま家の婆が悦びやアがって、江戸なア菓子はえらく甘《あめ》えって悦ぶだア」
婆「はえーい感心な子だのう、親の為に食い物を贈る様な心じゃア末が楽しみだアのう」
百「
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