日のこと、
繼「山之助さん、今日は余程《よっぽど》お加減が宜うございますねえ」
山「お繼さん誠に有難う、私はまア斯様《こんな》にお前さんの介抱を受けようとは思いませんかったが、不思議な縁で連に成ったのも矢張《やっぱり》笈摺を脊負《しょ》ったお蔭、全く観音様の御利益《ごりやく》だと思います、実に此の御恩は死んでも忘れやア致しません」
繼「何う致しまして、斯《こ》んな事はお互でございます、お前さんも西国巡礼私も西国を巡《めぐ》るので、一人では何だか心細うございますが、一緒に行《ゆ》けば何処《どこ》を流しても同行二人でお互いに力に成りますから」
山「誠に有難いことで」
繼「山之助さん、誠に寒くていけませんし、斯う遣《や》って別々に長く泊って居りますと、蒲団の代ばかりでも高く付きますから、私の考えでは蒲団を返してしまって、下へはお前さんと私の着物などを敷いて左様《そう》して上に一枚蒲団を掛けて、一緒に寝る方が宜《よ》いかと思いますが、お前さん厭でございますか」
山「えゝ寝ても宜うございますけれども、お前さんが男なら宜いが、女だからねえ、私は何うも一緒に寝るのは悪うございますから」
繼「何も宜《
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