て、聊《いさゝ》か田畑を持つ様になって村方でも何うか居《お》り着いて呉れと云うのだが、永住致すには妻《さい》がなけりア成らぬが、貴公今の婦人に手蔓《てづる》が有るなれば話をして、拙者の処の妻にしたいが、何うだろう、話をして貴公が媒介人《なこうど》にでも、橋渡しにでもなって、貰受《もらいう》けて呉れゝば多分にお礼は出来んが、貴公に二十金進上致すが、その金を遣《つか》ってしまってはいかぬけれども、貴公も左様《そう》して遊んで居るより村外れで荒物|店《みせ》でも出して、一軒の主《あるじ》になって女房子《にょうぼこ》でも持つようになれば、親類|交際《づきあい》に末永く往《ゆ》き通いも出来るから」
傳「有難うがす、私《わっち》も斯う遣《や》ってぐずついて居ても仕様がねえから女房《にょうぼう》も置去《おきざり》にしましたが、これは下谷の上野町に居りますが、音信《たより》もしませんので、向うでも諦らめて、今では団子を拵《こしら》えて遣って居るそうですが、そうなれば有難い、力に成って下されば二十両戴かなくっても宜《よ》い、併《しか》し苦しい処だから下されば貰います、それは有難い、私《わたし》が話せば造
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