と申す武骨者だが、何うやら斯《こ》うやら村方の子供を相手にして暮して居ります」
傳「何で、何方《どちら》の御藩《ごはん》でげす」
典「なに元は神田橋近辺に居た者だ、櫻井監物《さくらいけんもつ》の用人役をも勤めた者の忰だが、放蕩を致して府内にも居《お》られないで、斯ういう処へ参るくらいだから、別して野暮な事は言わぬが、兎も角も一緒に、直《じ》き近い細川を渡ると直《す》ぐだ」
傳「御一緒に参りましょう」
とずう/\しい奴で、ぴょこ/\付いて来ました。
典「さア、此方《こっち》へ這入りなさい……庄吉、今お客様をお連れ申したから」
庄「はい大層お早くお帰りで、今日は此の様にお早くお帰りはあるまいと思って居りました……さア此方《こちら》へお客様お這入りなさい」
傳「へいこれは何うも、御免なさい……おや庄吉さんか」
庄「や、こりゃア傳次さんか、いゝやア是れははや、何うも」
傳「何うした思い掛けねえ」
庄「何時も変りも無《の》うて目出とうありますと」
傳「いやア何うも、何《なん》とも彼《かん》とも、お前《めえ》にも逢いたかったが、彼《あ》れから行端《ゆきは》がねえので」
典「庄吉|手前《てめえ》は
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