どう云うまアその間違だか知れませんが、けれどもねそんな何うもその、私共は尼の身の上で居《い》る者を、荒物屋の女房《にょうぼ》なんてまア何う云う何《なん》かね……お前さん」
永「さア何ういう訳で其様《そないな》ことを、さア誰がそんな事を言ったえ」
又「隠しちゃアいけねえ、あなたは一箇寺《いっかじ》住職の身の上で、このお梅さんと間男をするのみならず、亭主の七兵衞が邪魔になるというので、薪割で打殺《ぶちころ》して縁の下へ隠した事が、博奕《ばくち》の混雑から割れて、居《い》られねえのでお梅さんの手を引いて逃げて来なすった時に、私の忰の眞達と何処《どこ》でお別れなすったい」
永「これ何を云う、何を云うのじゃ、思い掛けない事を云って、眞達なんて、それはまるで人違いじゃア無いか、何ういう訳じゃ、眞達さんと云うのは昨夜《ゆうべ》話に聞いたが、私《わし》は知りアせぬが」
又「とぼけちゃアいけねえ、お前さん、しらアきったって種が上《あが》って居るから役に立たねえ、眞達を連れて逃げては足手まといだから、神通川の上《かみ》大沓の渡口で忰を殺して逃げたと言ってしまいなせえ、おい隠したっても役に立たねえ」
永「何
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