敵討札所の霊験
三遊亭圓朝
鈴木行三校訂・編纂
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)深川元町《ふかがわもとまち》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)元|榊原《さかきばら》様の
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)甘※[#「赭のつくり/火」、第3水準1−87−52]《うまに》
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)がら/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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一
一席申し上げます、是は寛政十一年に、深川元町《ふかがわもとまち》猿子橋《さるこばし》際《ぎわ》で、巡礼が仇《あた》を討ちましたお話で、年十八になります繊弱《かよわ》い巡礼の娘が、立派な侍を打留《うちと》めまする。その助太刀は左官の才取《さいとり》でございますが、年配のお方にお話の筋を承わりましたのを、そのまゝ綴りました長物語《ながものがたり》でございます。元|榊原《さかきばら》様の御家来に水司又市《みずしまたいち》と
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