/\有難《ありがた》うございます、誠にお檐下《のきした》を拝借《はいしやく》するばかりでも、私《わたくし》は有難《ありがた》いと存《ぞん》じますのに、又々《また/\》お強請《ねだり》申《まう》して、お煙草《たばこ》の粉末《こな》を願ひましたところ、却《かへ》つてお薬を下《くだ》されまして、はい有難《ありがた》う存《ぞん》じます、誠にとんだ負傷《けが》を致《いた》しまして……何《ど》うも相済《あいす》みませぬことでございます、お蔭様《かげさま》で父子《おやこ》の者が助かります、はい/\……。主「さア/\此薬《これ》をおつけ……此薬《これ》はな鎧《よろひ》の袖《そで》というて、なか/\売買《ばいかひ》にない良《よ》い薬《くすり》だ……ちよいと其処《それ》へ足をお出《だ》し、撒《か》けて遣《や》るから…。乞「はい/\有難《ありがた》う存《ぞん》じます。主「それ/\……染《し》みるか、……あと、余《あま》つたのをお前《まへ》に上《あ》げるから此薬《これ》を持《も》つてお帰《かへ》り。乞「はい/\。主「エーまア血が大層《たいそう》流れるが、手拭《てぬぐひ》で縛《しば》らなければ可《い》けない。乞
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