を消したかえ。竹「何《なに》を云《い》ふんだね、しつかりおしよ、お前《まへ》何《なに》か夢でも見たのかえ、額《ひたひ》へ汗をかいてゝさ。梅「へえゝ……お前《まへ》は誰《だれ》だえ。竹「ホヽヽ何《なん》だよ、お竹《たけ》だアね。梅「こゝは釣堀《つりぼり》かい。竹「何《なん》だね、宅《うち》に寐《ね》て居《ゐ》るんだよ、お前《まへ》寐耄《ねぼ》けたね、何《ど》うか夢でも見たんだよ。梅「あ……夢かア、おや/\盲人《めくら》てえものは妙《めう》な者《もん》だなア、寐《ね》てゐる中《うち》には種々《いろ/\》のものが見えたが、眼《め》が醒《さ》めたら何《なに》も見えない。……心眼《しんがん》と云《い》ふお話でございます。
[#地から1字上げ](拠酒井昇造筆記)
底本:「明治の文学 第3巻 三遊亭円朝」筑摩書房
2001(平成13)年8月25日初版第1刷発行
底本の親本:「定本 円朝全集 巻の13」世界文庫
1964(昭和39)年6月発行
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2009年8月14日作成
青空文庫作成ファイル:
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