替え、毛布《けっと》を其処《そこ》へ敷き延べて、
丈「只今|申訳《もうしわけ》を致します」
と云って刄物を出したから、清次は切り付けるかと思い、覚悟をしていますと、春見は突然《いきなり》短刀を抜いて腹へ突き立ってがばりっと前へのめったから、清次は直《すぐ》に春見の側へ往《ゆ》こうと思ったが、此奴《こいつ》死んだふりをしたのではないかと思うゆえ、
清「言訳《いいわけ》をしようと思って腹を切んなすったかえ」
丈「さゝ人を殺し多くの金を奪い取った重罪の春見丈助、縲絏《なわめ》に掛っては、只今は廃刀《はいとう》の世なれども是まで捨てぬ刀の手前、申訳《もうしわけ》のため切腹しました、臨終《いまわ》の際《きわ》に重二郎殿、清次殿御両人に頼み置きたき事がござる、悪人の丈助ゆえ、お聞き済みがなければ止《や》むを得ざれど、お聞届《きゝとゞ》け下されば忝《かたじけ》ない、清次殿どうして貴殿《きでん》は僕が助右衞門殿を殺したことを御存じでござるな」
清「頼みと云うのはどう云う事か知れねえが、其の頼みによっては又旦那に話して聞きもしようが、言訳《いいわけ》に困って腹を切るのは昔のことだが、どうもお前さんは太
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